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お酒もわたしも
ここで熟成されています
- このまち、掘れば掘るほどおもしろい。 -
明延探検坑道ガイドクラブ
正垣 智子
■ 自己紹介をお願いします!
養父市大屋町出身。専門学校時代から大阪に出て、そのまま結婚して、36歳の時に家族みんなで地元に帰ってきました。今は主婦とパートをしつつ、明延鉱山の探検坑道のガイドをしています。その他にも、明延を盛り上げる活動をするNPOに所属しています。
■ 明延に関わる毎日なんですね。出身が明延ですか?
いえ、同じ町内だけど明延出身ではないんです。私がこんなに明延に関わるようになったのは、地元に帰って来て子どもの手が少し離れかけてから。ちょうど明延鉱山の坑道を見学する機会があったんです。そこで、人生で初めて鉱山の中に入って、想像以上に感動しちゃった!同じ町内で育って来たのに、こんなにすごい場所が近くにあることをこれまで知らなかったんだと恥ずかしく思いました。明延でたくさんの鉱石が採掘されて、それがいろんな場所で使わ
れて、「世界と繋がっている場所で暮らしていたんだ〜!」と衝撃を受けたんです。
ちょうど同じ頃に、鉱山ガイドの養成講座も始まり、不安はありましたが挑戦して第1期生となりました。今は、ガイド11年目です。
鉱山ガイドを続けるうちに、明延を盛り上げようと活動している方々と関わる機会が増えて、気がついたら自分もその仲間に入っていました。今は、NPOの会計をしたり、イベントや会議にも参加して、私の日常の中で明延がしめる割合はかなり大きくなっています。
■ 明延に関わっていて楽しい瞬間はどんな時ですか?
ガイドをしていてよかったな〜と思うのは、お客さんに「すごくわかりやすかった!」と言われた時です。鉱山のことは専門用語も多いし、歴史も深くて難しい。なるべく誰にでもわかる説明ができるよう考えているので、そう言ってもらえると励みになります。
明延で日々活動していると、自分の世界が広がっていくなと思います。例えばですが。メディアの人との交流は、主婦をしているだけじゃなかなか機会はない。個人ではテレビや新聞に出ることなんてないけれど、そういう貴重な体験もさせてもらえていますね。メディアに出るのは恥ずかしいですが、取材に来た方とも出会えて、それを見た人がまた遊びに来てくれて。なんでもご縁ですね。
そんな方たちも含め「人との出会い」が楽しいです。今、一緒に活動している人も素晴らしい仲間ですし、同じように活動している方との出会い、もちろんお客さんも。様々な人に出会い、親交が深まっていくことが楽しみのひとつです。
■ 最後に。今後やってみたいことや抱負は?
う〜ん。なんだろ。やりたいことはやれているし、今が充実しています!ガイドの回数も増えてきていて、日々楽しい。明延鉱山にはまっていますね。NPOのみんなであちこちの鉱山の視察に行くのもワクワクします。会計もド素人だったんですが、ちょっとずつ勉強しています。この歳になって学ばせてもらえているのが嬉しいです。
明延鉱山では幻の酒「仙櫻」を熟成させている酒蔵があります。お酒は鉱山でどんどん美味しくなる。私も、最初の頃に比べて鉱山のガイドが少しは上手になってきたかなと思っています。鉱山で学ばせてもらって、お酒みたいに人生に深みが出て、素敵な人間になれていたら嬉しいなと思います。
今、思えば。子どもの時から古墳とか歴史とかが好きでした。初めて鉱山を見学したことがきっかけで今の自分に繋がっているんですが、なんでも巡り合わせ。鉱山に導かれたのかなと思います。
今後は、明延をもっと元気に盛り上げていきたいと思っています。養父市内の方も遠くの方も、たくさんの人に明延に来てもらいたいです。
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